火縄銃 　中筒　鍛三重巻張　 国友尚親作

品番：GU-098094
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国・時代：　 滋賀県国友市　江戸時代

種別：  火縄式銃砲
銘文：  鍛三重巻張　国友尚親作
全長：  全長113.5ｃｍ 　銃身長:75.7ｃｍ　 口径：1.85ｃｍ
登録：  東京都　

【解説】この銃は国友筒と呼ばれる火縄銃です。銘は鍛三重巻張、国友尚親作です。今までに多くの火縄銃を見て参りましたが、本作は鍛三重巻張で銃身を三重巻きにして仕上げられた銃であり、大変珍しく手間が掛けたれた高級銃であることが判ります。国友系鍛冶は幕府の御用鍛冶で作品も多く、発注も各藩の需要にしたがって注文打ちされた為、外観上は国友地方特有の特徴を求めることが困難です。しかしどの作も鉄質が抜群に良く, 造りも確かで地方的特長に乏しいのが国友筒の特徴とも言われています。つまり万人が想像する最もオーソドックスな火縄銃スタイルということで造りが良く飽きがこない銃になります。その中で本作は人気の中筒で、銃身の鉄質は定評通り。更に銃床の木質も最高の樫を用いるなど厳選された材料に高度な技術を用いての造り込みです。銃床に作者名が墨で書かれたものは目にしますが、この銃には彫刻で銘が刻まれ、これまた珍しく気合が入った一丁となります。銃身は表一角で天面が一段高く筋彫りされており近代銃さながらの凝った造りで、柑子は八角のオクタゴンです。照準（元目当）は２つ。これは遠距離射撃様に中間照星（中目当）として設けられたものです。国友筒の鉄は良質な練鉄でその素材の砂鉄は出雲と播磨より求められました。木部の樫は熊野産の白樫で、その選定も厳しく行ったと記録が残っています。現代に美しく力強い姿を伝える国友筒の魅力はその辺りから生まれるのかも知れません。
これほど立派な火縄銃は城や博物館に出かけても拝することは難しいと思われ、高い技術と高品位素材で造られた一丁です。作動良好、完全調整済。銃口より火皿までは貫通。尾栓は外れます。外観の保存状態は極めて良好です。本作も火縄銃好きの御客様が御覧になれば引き付けられる絶妙なセンスと魅力がある逸品であると存じます。飾り台は非売品です。

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